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大名美恵子ニュース第714号をお届けします。

2025年3月22日(土)

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原子力機構原子力科学研究所保管の低レベル放射性廃棄物入りのドラム缶のさびについて



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原子力科学研究所所有の低レベル放射性廃棄物入りのドラム缶のさびについて

原子力科学研究所で保管している低レベル放射性廃棄物入りのドラム缶約3万5千本の表面にさびがあったとの報道に関連して、多くの住民が驚きとともに、保管方法や管理体制に問題はなかったのか等、不安を示しています。原子力機構はこの中には「内部もさびたドラム缶もあったが、廃棄物が漏れるような損傷はなかった」としているようです。5年間かけて約3万5千本の錆びを明らかにする、どうしてこのような管理体制なのか理解に苦しむところです。

まず、2点お聞きします。

1点は、保管施設設置以降、一部に腐食や廃棄物の漏れがあったとのことです。経緯等、村への説明はあったのか。

2点は、今回の報告は、2019年~24年に点検した結果に基づくものと思われますが、35千本を一度に報告となった理由について聞いているのか。以上です。

 

 

(答弁 村民生活部長)

まず、原子力科学研究所の半地下ピット構造の「保管廃棄施設」に保管中のドラム缶につきましては、低レベル放射性廃棄物を収納しておりますが、原科研において,2008年に外観点検を実施した際に、一部に錆の進行を確認しことから、健全性確認の作業計画を立案し、2018年6月に原子力規制庁へ保安規定変更認可申請を行っております。

1点目の御質問についてですが、村としましては、当該作業計画についての原子力規制委員会における審議がなされた2018年11月以降、随時、事業者から報告を受けております。                        

次に、2点目の“報告の在り方”についてですが、今回のドラム缶の点検につきましては、2019年からの5年計画で実施しており、湿気のある廃棄物の有無の確認や内容物の詰替え、新しい容器への収納、ドラム缶の補修などの作業を進め、昨年3月に完了しております。その後,昨年末に原科研が原子力規制委員会に点検実施結果を報告しており、先月には村にも報告がございましたが、村としましては、一連の点検の完了と取りまとめの結果として、錆のあったドラム缶の実数が報告されたものであると認識しております。



再質問)

 5年間で35,000本、単純割では1年間に7千本もさびたのかと見てしまいますが、他の原子力事業所の同ドラム缶も、このように大量の本数で錆が発生しているのか、また、点検のペースはどうなっているのか気になるところです。  

再質問では5点お聞きします。

1点は、2008年の外観確認は、本施設への廃棄開始から何年目に行われたのか。

2点は、2008年に錆びの進行を確認し、10年後に保安規定変更認可申請したとのことで、長期間錆びの進行を放置したと受け止めますが、この10年の間の対応などについて、情報はあるのか。

3点は、「保管廃棄施設」の設置場所は、原科研敷地側を侵食し、変形が進行する海岸に近接しており、海水等の影響を危惧しますが、移設の必要性について受け止めはどうか。

4点は、ドラム缶内の廃棄物は最終的にはどう処分されるものなのか。

5点は、 今回の報告と経過を知り、私の受け止めは「放射性廃棄物の管理があまりに杜撰、この件に留まらない他の事業や作業でも同様のことがあるのではないか」というものです。 2008年の廃棄物の漏れの際には村は原科研に対し何かものを言ったのか、また今回の報告に対する村の受け止めと対応について、以上、お聞きします。

 

 

(再答弁-村民生活部長)

まず、1点目の外観確認の実施は、原子力機構に確認したところ、当該施設への保管廃棄から37年目であるとのことでございました。

次に,2点目の御質問についてですが、2018年の保安規定変更認可申請は、健全性確認作業の実施に必要な移動式のプレハブ建屋を製作した上で、品質保証活動に基づく点検と位置付けるために行ったものでございます。それまでの保管体の点検ですが、施設の運用開始以降、不定期に外観の確認が行われており、また、2000年度には保安規定に定められましたことから、適切に実施されていたものと認識しております。

次に、3点目の御質問につきましては、原科研によりますと、当該施設は海岸線から約70メートル内陸に位置しており、海岸の浸食による影響はなく、また,塩害につきましては、ドラム缶の上部にシートを掛ける対策を実施するため、現時点において移設の必要はないとのことでございます。

次に、4点目の御質問につきましては、ドラム缶内の廃棄物の処分は、今後、法令などで定める技術基準に従い、必要な処理を行った上で、埋設処分を行うこととされておりますので、村としましては、処分の進捗について、適宜、情報収集を図ってまいりたいと考えております。

最後に、5点目の御質問につきましては、本件は、放射性物質の外部漏えいなどの事故・故障に該当するものではないため、当時の記録につきましては保存年限を経過していることから発言内容などを確認することはできませんでした。本件が発生した原因には、放射性廃棄物保管の長期化が少なからず影響していると受け止めており、これまでも原子力安全協定の運用や立入調査により状況把握に努めてまいりましたが、今後も引き続き、事業者に対しては放射性廃棄物の適切な管理を、国に対しては早期の処分に向けた取組の推進を求めてまいりたいと考えております。

 

(再々質問)

 再々質問は、本保管廃棄施設は運用開始から53年余経過していると思いますが、この施設自体の健全性評価はどのようになっているかお聞きします。

 

(再々答弁-村民生活部長)

原子力科学研究所によりますと、当該保管廃棄施設の健全性評価につきましては、法令に基づき,「放射性廃棄物処理場」として,10年ごとに実施しているとのことでございます。直近では、昨年9月にコンクリートの劣化の評価を実施し、今後10年間の健全性が維持されることを確認したとのことであります。また、保安規定に基づき、毎月1回の外観確認を行っており、施設に異常がないかを点検しているとのことでございます。

施設の健全性評価を始めとして、先にお答えしました保安規定に基づく定期的な外観点検やドラム缶上部へのシート設置など自主的な対策も講じられており、施設の健全性及び保管する放射性廃棄物についても適切に管理されているものと認識しております。

村としましては、四半期ごとに行われる事業者からの状況報告や平常時立入調査などを通じて各施設の状況把握に努め,施設の安全性について、長期的な視点も取り入れながら確認してまいりたいと考えております。

 

(意見)

村は、ドラム缶の錆びについて、「保管の長期化が少なからず影響していると受け止める」とのことです。今回の大量錆び報告について、「半地下ピット構造の施設内のことだから外部への影響はないだろう」とせず、点検のペースアップへの見直しなど提言すべきです。

ただ、この状況でも適正な管理と言えるというのであれば、そもそも放射性廃棄物の保管や処理処分に係る国の規定などが、緩いのではないかと危惧します。村民がどう感じているかが重要ですので、村は、国であろうとも必要なことは物申すべきです。

   
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