活動報告

6月議会一般質問の2項目めの質疑応答をご報告いたします。

2024年6月17日(月)

[ 活動報告 / 村議会 ]

6月12日の一般質問2項目めについてご報告いたします。

  ※  東海村議会では、議員からの質問は、1項目について3回まで。
     質問時間は議員の聞くだけの時間が30分。答弁を加えた総時間は決まりはありません。

東海第二発電所の地中連続壁基礎の施工不良について

(質問)  この問題を考える時、重要な視点は、工事不良を告発された方は私のところに来る前に、工事請負会社にはもちろん、原電東海事業本部にも本社にも訴えていたという事です。しかし公表がない、このまま何らかの手立てをして鋼製防護壁を完成としてしまえば、まるで何も無かったかのようにされてしまう、絶対に認められないと、本当に胸を痛めて外部への告発という行動に出た訳です。

村は、昨年920日に、鉄筋カゴの高止まり及び南基礎と北基礎の鉄筋の損傷とコンクリートの未充填に関して事業者から説明を聞いたとのことです。これらの工事不良は、安全協定上の案件ではないとはいえ、取水口の破壊につながりかねない重大な事態であり、住民はもとより行政も「何も知らされないで良い」筈はないと思います。村としてその後の動き・認識等についてお聞きします。

1点は、昨年920日以降、事業者の説明や現地確認などの動きはあったのか。

2点は、今回の施工不良はなぜ起きたのか、その原因について事業者の説明は聞いているのか。

3点は、本件について事業者は、昨年1015日までは非公表としていましたが、現在は設計変更を申請し審査に入った状況です。工事不良確認から半年後の公表になったことについて、また結局、設計変更を申請した訳ですが、変更すれば適正工事となるのか、これらについてどう認識するか。

 4点は、6市村首長懇は今年527日、現地視察を行いましたが、直接不具合状況を見て、工事不良の状況は安全協定に関わらず報告・公表が必要な重大な事態だったと、感ずることはなかったか。

(村民生活部長 答弁)  まず,1点目の,事業者からの説明や現地確認につきましては,村が最初に事業者からヒアリングを行いました昨年9月以降,「鉄筋の損傷やコンクリートの未充填の調査結果」や「事案を踏まえた補強対策」などの説明,原子力規制委員会へ申請した「設計及び工事計画認可申請書の一部補正」に係る説明を受けるとともに,原子力安全協定に基づく“平常時立ち入り調査”や“東海第二発電所に係る連絡会 ”において,担当職員による立入調査を実施しております。

次に2点目の,事象の発生原因につきましては,ヒアリングと現地確認を通じて事業者から推定として聞き取っておりまして,「鉄筋の損傷」及び「鉄筋カゴの高止まり」 につきましては,先行して設置されていた鉄筋カゴに,土砂を取り除くためのハンマーグラブという器具が接触したこ とで鉄筋が変形し,その変形箇所に後から設置した鉄筋カゴが干渉したことによるものと聞いております。また,「コンクリートの未充填」につきましては,掘削機の荷重や周辺のコンクリート打設圧などで,掘削されたロの字型の溝へ土砂が,はらみ出したために発生したものと聞いておりますが,溝が掘削された状態で時間が経過したことも要因と考えられるとのことでございました。

次に3点目の御質問につきましては ,本件が原子力安全協定上の報告対象の事案ではなく,事業者が自らの公表基準に基づき公表の有無や時期を判断したものと認識しておりますが,住民の安心・安全の観点から申せば,今後は,より丁寧な対応をお願いしたいと考えております。また,工事 が適正なものになるかという点 につきましては,鉄筋損傷やコンクリート未充填が確認された箇所は,防潮堤鋼製防護壁の基礎部の一部,型枠のような役割も果たしており,今後,その中に鉄筋とコンクリートを充填して基礎部を完成させていくものでございますが,その際に,鉄筋を補強することで,従来の設計よりも耐震・耐津波の安全裕度が向上すると 聞いております。 

(村長 答弁)  最後の4点目の御質問については,今,部長が答弁したとおり,原子力安全協定対象外の事案は,事業者の判断で公表しているものと認識しておりますが,これまでの状況を踏まえれば,丁寧な対応が必要だったものと考えております。

一方で,先日の首長懇談会では,事業者から「公表の在り方については,今回の件を十分に踏まえる必要がある」との話がありましたので,今後,住民目線で公表基準の見直しが図られるものと認識しております。 

(再質問)  この件も報告待ちにならず積極的に確認していくことが必要です。規制委員会が審査し合格を出した計画がなぜ失敗したのか、疑問は残されたままです。結局今後計画を変更しても同じことが起こり得るという懸念もある訳です。

そもそもこの取水口部の工事は、他社原発とは違い東海第二原発のみの工事だという事を規制委員会が言っていました。また告発者は、「取水口防潮堤の工事・工法は、防潮堤の他の部分より難しい」と言っておられました。

今回不良が起きたのは施工者の力量不足によるのか、それとも原電の設計・工事計画に問題があったのか、それとも原電が工期にこだわり急がせたためなのかなど、これらについて聞き取っているのかお聞きします。

(村民生活部長 再答弁)  先ほど答弁しましたとおり,防潮堤鋼製防護壁の基礎部の一部で確認された事象は,複数の要因が重なり発生したものと認識しておりますが,その責任の所在がどこにあるのかまでは聞き取っておりません。

また,工事の実施に先立って事業者が原子力規制委員会から認可を受けております「工事計画」は,施設の 詳細設計などを定めたものであり,その「工法」までは定められておりませんので,客観的に計画の是非を判断することは困難であると考えております。

いずれにしても,設備の健全性については,事業者による「使用前事業者検査」や原子力規制委員会による「使用前確認」を踏まえて確認されていくものと認識しております。

(再々質問)   原電のホームぺージで「地中連続壁工法を用いています」と紹介されていますので確認してください。 告発者は、「使用前検査の時点になってからでは、不良工事の実態が分からなくなってしまうので遅い」と言っていました。そして、他にも安定液の検査結果をごまかした、鉄筋カゴを引き上げて沈設し直すことができなくなった状況を隠して報告した、工期の遅れを取り戻すために安定液のデータを偽ったなどなど、次々と衝撃的なことが告げられました。  昨年4月頃からこれらを訴えられて知っていた原電の責任は重大です。

 私はこれまでに、不良内容を聞き、写真を見ただけでも驚き心配した住民の声をたくさん聞いています。また6市村が現地確認した際に首長さんたちも大変驚ろかれたようです。これが住民感覚、一般目線というのではないでしょうか。

公表が遅れた要因の1つは、それこそ原電の組織風土、「一般目線への感度が低い」ため、公表の必要性を感じなかった。  もう一つは、「大変な事態ではあるが協定上報告対象ではないので公表せず、何とか工事を進めよう」とした思想の問題があると思います。

村長にお聞きします。 組織風土に問題があると判断せざるを得ないのは、防火対策のみではない、新基準対応の工事においても言えるのではないか、つまりは稼働45年も過ぎて特に危険が多い東海第二原発を動かそうとする資格は、もはや原電には無いと言えると思いますが、認識をお聞きします。

(村長 再々答弁)  厳重注意は火災の頻発を受けて発出したものですが ,組織風土への言及は,原子力施設以外の部分を含め,事業活動全般に対する防火意識が不足していると考えたためであります。

一方で,安全性向上対策工事 については,住民の関心が非常に高く,特に鋼製防護壁については ,基礎部の状況や補強工事の内容にも注目が集まっていることから,事業者に対し安全管理の徹底はもとより,不測の事態が生じた際の適切な公表についてもしっかり対応するよう求めたところであります。

なお,本件基礎工事については,原子力規制委員会において審査が行われるところでもありますし ,また,“高経年化原子炉に係る安全性確保のための制度”が見直され,東海第二発電所についても ,新制度への対応が求められるものと認識しておりますので,その状況も 踏まえた上で事業者の取組をしっかりと確認し,村として適切に対応してまいりたいと考えております。

(意見)  こうした状況下、適切な対応とは、村長が「再稼働すべきでない」という意思を明確に伝えることであるということ、述べておきます。

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