東海第二発電所の工事状況調査のご報告
東海第二発電所の構内に入る視察調査では、免許証など写真付きの身分証明書の提示が必要とされています(厳密には、写真がなくとも住民票や健康保険証など3種類の証明書があればよい)。カメラやスマホの持ち込みは厳禁で、原子力館別館に置いていくことになっています。持ち込んだバッグがあれば不審物が入っていないか中を確認されます。ゲート式金属探知機の通過、爆発物検出器なども使用されます。
代表の方が、被ばく線量計を持ちます。
原子炉建屋に入る際には、靴下と靴を履き替え、白手袋をして厚手の生地の白衣着用、ヘルメットをかぶって入ります。
総工費は3500億円規模
工事にかかわる人員は、現在1日約1500人
まず最初に、テラパーク屋上から敷地内の状況を確認しました。
「主な安全性向上対策工事スケジュール(概要)」からみた工事の目的と種類
2020年1月~2022年12月
1.津波から電源、ポンプを守る設備 6.環境を守る設備
①防潮堤工事 ①格納容器圧力逃し装置の設置
②重要設備を高台、地下へ設置 ②水素を取り除くための設備設置
2.電源の多様化設備の設置 7.自然災害に備える設備
①高圧電源装置を設置 ①耐震補強工事
3.原子炉を冷やすための設備 ②防火帯を設置する等の工事
①低圧、高圧注水ポンプ等を設置 ③竜巻対策
②新たな水源を設置
4.発生した熱を海へ放熱する設備 ※全体で大枠で7つの目的について、13の工事があります。
①緊急用海水系統を設置
5.格納容器を冷却する設備
①代替循環冷却系を設置
②ペデスタル防護対策
現在は、これらの工事をする上での干渉物撤去、地盤改良、土留め壁造成等が主な工事です。
説明があり、視察したのは、
①防潮堤北側・南側の地盤改良、②海水ポンプ室周りの防潮堤の地盤改良、
③常設代替高圧電源装置置場の土留め壁造成・掘削、④代替淡水貯槽等の土留め壁造成、
⑤緊急用海水ポンプピットの山留め壁造成・掘削、
⑥安全系海水配管耐震補強のための先行削孔、鋼管杭打設、鋼製桁設置、
⑦主排気塔耐震補強のための地盤改良、杭打設、配管架構
⑧シビアアクシデント用海水ピット等の土留め壁造成等、⑨貯留堰の鋼管矢板の打設、
⑩海水ポンプ室等耐震補強のための掘削・干渉物撤去、⑪重油貯蔵タンクの土留め設置、
⑫可搬型設備保管場所他のための森林伐採、整地、⑬タワークレーン等設置
⑭土砂置場の排泥・残土置場造成
※⑬タワークレーン等設置は、外壁工事等、建屋の周囲で実施する次の工事等のために、タワークレーン、ジブクレーン及び建屋周りの作業用足場を設置すること。
・ブローアウトパネル改造工事(現在は開くのみになっているので、これを閉めることもできるようにする)
・建屋外壁竜巻対策工事
○原子炉建屋内に入りましたが、燃料プールは工事でゴミが入らないようシートがかぶせてありました。
○現在のブローアウトパネルも確認しました。
あまりに壮大な工事に改めて驚きましたが、これを完成させたら原発を動かさないではいられないでしょう。動かさない原発の安全確保のためだけに行う工事とはとても思えません。
6市村首長そして担当課の職員等は、ぜひ一度見た方がいいと思います。
見方は、2つに別れるかもしれません。
①これほどの対策を講ずるのだから、大丈夫だろう。
②これほどの対策をとらなければ、安全とは言い切れないが運転の許可が出ないような原発は、動かさない方がいい。
NHKによる
2020年3月11日 「原発事故 避難者の心に何が? 9年目の大規模調査」では、その半数近くにPTSDの疑い、3割近くにうつなどの疑いがあることがわかったとのこと。(調査の対象となったのは、福島県浪江町の帰還困難区域・津島地区の住民513人)
紹介されていた避難者、医師の声では、
避難者の声
「この9年、自分がみじめというか。ちゃんと健康で元気な赤ちゃんを産めるのかなとか。ちゃんと自分自身、健康でいられるのかなという不安。」
「『(避難者に)賠償が来るのが納得いかない』とか、『“こじき”は(ここに)いるな』とか言われて。今も黙っているしかないですよね。」
「何もない。あの津島を見たくない。思い出せばつらい。」
「悲しい。つらい。何でこうなった。」
精神科医 蟻塚亮二さん
「今回の(調査)結果でも、日本の震災の中ではかつてない高いデータが出てきた。」
もうやめましょう!原発を動かすのは!
大名ニュース504号をご覧ください。何が?
9年目の大規模調査
原発事故 避難者の心に何が?
9年目の大規模調査
原発事故 避難者の心に何が?
9年目の大規模調査
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