2017年4月9日(日)
[ 活動報告 / 村議会 ]
大名 全国公立学校教頭会が昨年5月から7月にかけて行った教頭先生の勤務実態に
関する調査結果では、副校長・教頭先生の8割以上が1日当たり12時間以上勤務して
おり、勤務時間が年々増加しているだけでなく、1割弱は年次有給休暇を取得できて
いないこと、また睡眠時間が5時間以上6時間未満が最多で半数弱、5時間未満は2
割以上ということがわかったと言います。
学校教育の充実には、教職員の心身の健康維持が不可欠と考えます。今、本村の実
態を明らかにし、改善が必要なら躊躇なく行うべきと考えます。昨日の答弁で、今後、
村教委は実態調査を行うとのことですが、まず本村の教頭先生の勤務実態について伺
います。
教育長 私も東海南中学校で2年、東海中学校で2年、教頭職を経験いたしました
が、正直な話ほとんど毎日、朝は私が一番先に行って退勤時刻も私が一番最後だった
と記憶しております。学校現場では教育課程編成するのは教務主任がやっていて、生
徒指導関係は生徒指導担当していますけれども、教頭は教育内容のマネジメントをし
たり、保護者対応、地域対応、そして予算執行管理、職員への助言、そして校舎内外
の環境整備、余談ですが、東海南中時代は公道の除草作業をやって役場の職員と間違
えられた経験もあるんですけれども、大変ですけれども、学校運営管理に関する全て
について把握できる立場でありますので、教育者とか管理者としての総合力を高める
上では非常にやりがいのある仕事だなというのを私自身感じております。
しかしながら、きょうも東海中の教頭先生は7時20分にはもう立哨指導に立っ
て、ごみ拾いや立哨指導したり、退勤時刻はやっぱり夜8時以降になるという現実踏
まえたとき教職員の負担軽減もさることながら、教頭先生の心身の健康管理も極めて
重要なのは言うまでもありませんので、今回の教職員の勤務実態調査の対象者に教頭
先生も入っておりますので、その調査結果や28年度の全国公立学校教頭会の調査結果
などを踏まえて、やはり行政でできることは行政でしていくとか、そういうふうな話
を教頭会等で話し合っていきたいなと考えております。
ちなみに教頭さんの年休の取得率は大体平均7日くらいですね、1年間で。
大名 今のお話ですと相当な過重負担、過重勤務をすれば総合力が身についていく、
そして教頭、その後の校長につながるというようにも聞こえます。これは、やはり
日本の教育現場のおかしさかなというふうに思います。本村の教頭先生の勤務実態
の大変な状況というのが教育長の体験からもよくわかりました。
私は、根本的には文科省の学校教育の考え方と教職員配置の考え方に問題がある
と考えます。しかし、現実は相当深刻なようですので、もう少し詳細をお聞きしま
す。全国公立学校教頭会の調査から、教頭先生も授業を受け持っている場合がある
とのことですが、本村の場合どうなっているか。また、教頭先生はベテラン教員と
して豊富な経験を生かして不登校児童生徒の対応など多くの事案にかかわっている
のではないかと思いますが、過重負担や本来の業務との関係ではどうなっているか
お聞きします。
教育長 まず1つ、過重な勤務をしなければ校長になれないとか、そういうふうな
ことではありませんので、いろいろな分野の職務を経験することで総合力を身につ
ければ次につながるということですので誤解のないように申しわけありません。お
答えいたします。学校教育法第37条に教頭先生の職務が示されておりますが、読ん
でみます。教頭は校長を助け、校務を整理し、及び必要に応じ児童の教育をつかさ
どることが職務内容です。この「児童の教育をつかさどる」という文言が授業を持
つことにつながっているのではないでしょうか。本村では教頭先生が6年1組の算
数を1年間担当するとか、そういうふうなことはありませんが、学級担任が出張や
年休のときに授業を持ったリ、給食指導したりしております。これが俗にいう転補
と言われることです。子どもたちの学習状況や生活の様子を知る上で非常に貴重な
時間だと考えております。また、不登校対策など生徒指導に関しても、生徒指導士
を中心にしながらも、チームで対応できるよう指導助言を教頭がしているのが現実
です。
このように教頭の職務は多岐にわたっておりますので、先ほど答弁いたしましたが、
行政でできることは行政でするなど負担軽減に努めていきたいな、今回の勤務状況の実
態調査などは、教育情報ネットを使いまして、職員が打ち込めば自動的に集計できるよ
うな形で、学校現場には負担にならないような体制をとっています。そういうふうな形
で校務の効率化とか、そういうふうなのを図っていきたいなと考えています。
大名 今の現場では総合力を身につける時間が足りない、そういう問題だということを
あえて申し上げます。そして再々質問ですが、以前に聞いたことですが、「東海村は教
育環境で恵まれた点は多いが、研究授業などで物すごく忙しいので、異動になるのは嫌
だ」とおっしゃっていた先生がおられました。本村教委として独自に改善できることが
確かにあるものと思われます。ぜひ進めていただければと思います。
また、最近の国や県のさまざまな方針や取り組みが、根本的には教頭先生をはじめ多
くの先生の多忙を招いていると思われます。2013年の国際調査の結果では、日本の教
員の1週間当たりの勤務時間は参加国最長でしたが、授業に使った時間は参加国平均よ
り短い。一方で、部活動は断トツ多いのですが、これ以外の時間で日本で多いのは一般
的事務事業に使った時間でした。日本固有の忙しさがあることがわかります。村教委と
して、関係機関にこれを改善せよと求め続けることが大事と思います。
教育長 まず1つは、東海村は研修が多くて東海に来る先生が少なくなるとか、そうい
うふうなことはございません。ただ、研修もこれから精選していきたいと思います。役
場の職員と同じように学校の先生方も働き方改革をしていきたいなと考えています。そ
れが1つです。
もう1つは、県や町村教育長会議等に私も出席しますので、そのときに教頭はじめ教
職員の勤務実態、そしてその改善策について提案していきたいなと考えています。